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Message#2791 2006年1月24日(火)15時46分
From: 和井 恵
 
「強制力を伴った、恐ろしき欲望−渇愛(タンハー)」(その五)。
その次の日、私が洗面所で歯を磨いていると、Mさんがニコニコしながら近づいてきました。

知らんぷりをして「無視」を決め込み、歯を磨き続ける私。
すると、彼女は、洗面所の前のあちこちを、キョロキョロと「何か」を探し始めました。
洗面所には、色々な「サマナたちが使用している歯磨き粉」が置かれていました。
つまり彼女は、私から「歯磨き粉」を借りるつもりで、手に歯ブラシだけを持って近づいてきたのです。
しかし、私の「歯磨き粉」は、別の場所に置いてありました。
「あれ?」「あれ?」と、何かを探し続ける彼女。
私は歯磨きを終えると、クルリと背を向けて、その場を立ち去りました。

しばらく経って、彼女がK君と共に「道場」を抜け出し、現世に戻ったことを知りました。
私は彼女のおかげで、「貴重な経験」をすることが出来たのです。

そして、時は移り、94年の夏のある夜、その時私は、すでにオウムを離れ、
高田馬場にある「ウィークリー・マンション・ツカサ」の「夜間管理人」をしていました。
すると、私の部屋に一人の若い女の子が尋ねてきました。
私が預かっていた、彼女の郵便物を取りに来たのです。

特に、これといった会話をするでもなく、僅か1、2分「顔を合わせただけ」なのですが、
「会った瞬間」、例の「強迫観念」が私の心の片隅で「生起してくる」のが解ったのです。

ああ、この「感覚」は、例の…

特にこれといって「美人」でもなく、「私のタイプ」でもなかった彼女。
ちょっと「ボーっとした(タマス)」感じの女の子。

案の定、彼女が出て行って少し経つと、私の「心」に「大きな変化」が現れました。
「彼女」が、気になって気になってしょうがない(笑)。
何とか「理由」をでっち上げて、彼女の部屋を訪問してみたい…
足が勝手に「部屋」の方へ向かおうとする。

全て、以前一度経験した「症状」と同じ(笑)。
しかし、今度は「予め解っていた心の動き」だったので、
それらを割と「客観的に眺める」ことができ、「その症状」は、30分くらいで消えて無くなりました。

私は、これらの経験から、ほぼ間違いなく断定できますね。
「一目惚れ」という「恋愛感情」は、この「暴流」に巻き込まれた「意識状態」を言うのだ、と。
ただ、本人はそれ(恋)に目がくらみ、「気づけない」だけなのです。


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