喫茶Honfleur掲示板 2007〜2009年

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Message#13970 2008年6月6日(金)13時43分
From: 和井 恵
変更
Re4:ぼんちゃんへ
聖者ぼんちリンポチェさんのメッセージ(#13961)への返事

>こういう場合には、苦に寄り添っている他人についての知識や、
>苦の中にあった頃の自分の感情に関する知識によって、
>自動的に色、識、名色、というプロセスを辿った上、
>名色の中には、それが人間に対してどう影響する性質のものなのか、
>というイメージ、偏見といったものも含まれてしまいます。

それはね、その人が「知識への依存症」になっているからですよ。
そういう、諸々の余計な知識を大切に抱え込んで、
何かにつけて「分析」したり「比較」したりして活用しようと修習してるでしょ?
これらは、私たちの色貪や無色貪を増大させ、
それらに、ますます依存した生活習慣を形成してしまうのです。

喩えば、「活字中毒(活字への依存症)」とかね。
現代人の、ほとんどは「思考中毒(考え過ぎ・過剰思考)」に陥っています。
それらは、反射的に、堂々巡りの「欲望を想起させる連想ゲーム」をくり返す。
それらの全ては、煩悩を生起させるだけの「余計な行為」なんです。

解脱をすると、その人の思考・その他は、とてもシンプルなものになります。
だから、自分自身でも解りやすい分だけ、
自己をコントロールをするのも、これまた、とても簡単なのです。


>結局現代に生きている、ということは
>それ以上に「愛」とかに進展しない状態を作り出す必要があるでしょう?

それよりも、「行」や「識」をコントロールした方が早いでしょうね。
「識別を無くす」と、判断できなくなる、のではなくて、
どうでもいい「余計な判断(識別)」を、あれこれとする必要が無くなる。

何故、「識別」をしようとするのか?
それは、その根本に「無知(知らない・よく解らない)」が在るから。
だから、「行(好奇心・探求心)」が動き出して、
あれやこれやと「識(識別・区別・分別)」しようとし始める。
それが「名色(認識の対象)」を探し出し、
自己の「六処(六つの感覚器官)」を働かせて、
「触(接触)」を試み、「受(感受作用)」によって、
相手のデータを入手する。

しかし、このデータは、自己の持つ「無知(煩悩)」の働きによって、
それらは、誤謬に満ちた、様々な「固定観念」や「思い込み」を
連鎖的に生起させて、データの「色づけ(加工と補正)」をくり返す。

そして、その結果、生まれるのが「愛(対象への好意・好感触)」。
そこから「取(入手しようと欲する)」が生まれ、育ち、さらに増大し、

「有(= 有情の形成 = 滅び行く悲しい縁起の発生 )」となって、
「生(生起による苦しみ)」と、
「老死(消滅による苦しみ)」を、繰り返し味わうことになる。


>> これは、苦しみである(と、リアルに直感として解ってしまう)。
>> これに近づくこと、交わること、関係を結ぶことは、苦の生起に繋がる。
>> 私はそれらを厭い、近づくことなく遠く離れよう。それは苦因の滅尽である。
>> すると、それを実戦するための道が、自ずと明らかになって見えてくる。

>こういうシンプルな人間になれれば嬉しいんですがね・・・。(苦笑)

それは君が、「思考中毒の罠」から抜け出せれば、できると思うよ。


>たいていの人は「わかっちゃいるけどやめられない・・」という、
>釈迦に言わせりゃ「まだわかってねえ」状態なわけですな。

そうだね、それは「分かったつもり」になってるだけ。

無明を滅する「正しく認識できる智慧」の力(パワー)は絶大なんだ。
「本当に分かった」ら、やめるのはとても「簡単」なの。
理由は本当にシンプルで、「その方が、苦が少なくて、とても楽だから」。


>人間というのは、誰が見てもわかるような苦の部分は排除して、
>楽しめる部分はいつまでも意地汚く楽しもう、という傾向がありますから、
>一度懲りてみたところで、次こそはなんとか美味しいところだけ、
>などという愚かなことを考えてしまうようです。

それは、「表」だけで出来た「硬貨(コイン)」を必死で探しているようなモノ。
表と裏があってこそ、はじめてコインは成立するのです。
表だけ、あるいは裏だけのコインなど、どこにも存在しないのです。

禅宗に、「隻手の音」という問いかけがありますよね。
拍手は普通、両手でするものです。

しからば問う、
「片手だけ」でおこなう「拍手」では、
どのような「音」がするのだろうか?

音なんてしませんよ、というと、馬鹿者!と一括される。
そこで必死であれこれと考える…
すると、在る瞬間、その音が聞こえたりして。

ま、ここから先の「禅問答」は、ボンちゃんに任せますね。

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