喫茶Honfleur掲示板 2007～2009年

Message#6814 2007年2月27日(火)01時34分
From: 聖者ぼんちリンポチェ

知覧レポ

さて、それでは知覧のレポ・・・といっても少し主観になりますけど、
やってみたいと思います。
まず同行者は同じ歌い手仲間であるＫ氏、
歌い手になる前は社会の先生をしていた男・・・とも思えぬちょっと変わり者。
もう50前のおっさんで、私とは変人同士のコンビです。
前日は鹿児島の歴史を学ぼう、ということで
城山と、その麓にある歴史資料館ともいえる「黎明館」に行って参りました。
その上で、翌日たる25日、鹿児島の「山形屋バスセンター」からバスに乗り、
知覧まで行ったわけですが、片道920円、所要時間は１時間半ほど。
途中、峠越しがあり、バスのボロさと運転手の荒っぽさ、
そして道のくねり具合による酔いの可能性がありますので、
中では寝るようにしましょう。
目的地は終点「特攻観音入口」ですので寝過ごす心配はありません。ｗｗ

バスに揺られてついたのですけど、天候は生憎の雨。
しかし、日曜日のこととて駐車場にはひたすら観光バスがビッチリ。
道理で私の乗ってきた路線バスはガラガラだったわけです。
こうなると駐車場にある食堂も貸切になってしまいますので、
日曜日に行くことはあまりお勧めいたしません・・・が、
月曜日というのも食堂が休みになる気配もあり、
まあ普通の平日がよろしいかと。

少し歩くと平和会館です。
隣の歴史博物館とセットになったチケットを600円で購入し、
中に入ると、一台のグランドピアノが置かれています。
何でも特攻前に音楽学生が「月光の曲」を弾いていったピアノの同機種とか。
で、展示室に入ってしばらく見ていますと、（壁際は特攻隊の写真と遺稿がある）
視聴覚室にて「説明」を行います、というアナウンスが入ったので、
早速急行、前の方に陣取りました。

一人のおっさん・・・というかほぼ「じいさん」ですが、・・・が出てきて、
鹿児島なまりで説明を始めました。
淡々と喋ってはいますが、なかなか味のある語り口で、
まずは特攻隊の飛行機や攻撃方法に関する一般的な概論。
続いて、代表的な隊員の写真を掲げながら、
彼らの遺書、辞世、あるいはその母親からの手紙などを、
ほぼ完璧な暗誦で説明してくれました。

・・・と書くと、単なるレポートですけど、
すごかったのはまさにこの部分。
私は普段ほとんど泣きませんが、その私を泣かせました。
説明が終わった後もしばらく涙のツボにはまった状態で、
涙と嗚咽が止まってくれません。
このじいさん、名調子にも程がありますわいな。
本人にもそれなりの経験があるのか、
こちらの胸にグサッとくる極めつけの「語り部」でした。
これを聴くためにだけでも、交通費払って行く価値はあります。

この「説明」が私のインスピレーションに火をつけたのか、
ある「音と和声」がずっと私の中で響き続けましたので、
すぐにスケッチとして書き取り、
館内の自由筆記ノートにもその一部を書き写してきました。
これは、隊員の遺詠に対して曲をつけて形にしたいと思います。

・・・後はご自分で体験していただきたいと思いますが、
まずはこの「説明」を聴いていただきたいな、と思います。

お帰りの際は是非、露天商の焼き芋を買っていただきたいと。ｗｗｗ
メチャクチャ美味しいですから。

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