米アカデミー賞】日本のイルカ漁をテーマにした『ザ・コーヴ』が ドキュメンタリー長編賞受賞 日(日本時間8日)、米ロサンゼルス・コダックシアターで授賞式が 行われた第82回アカデミー賞授賞式で、和歌山県太地町のイルカ漁を テーマにしたドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』(ルイ・シホヨス監督)が ドキュメンタリー長編賞受賞した。 1960年代『フリッパー』の調教師として活躍したリック・オバリー氏が、 今やイルカが巨大ビジネスになってしまったことを悔やみ、自らへの 自戒を込めて、イルカ保護活動家に転向。 そのオバリー氏が和歌山県太地町で密かに行われているイルカの 追い込み漁の現場に潜入を試みた実録映画。本編ではここで捕獲される イルカのうち、需要の高いメスのバンドウイルカは1頭あたり1000万円以上の 高値で世界各地の水族館へ輸出され、それ以外の大部分のイルカは、 食用にするためその場で殺されると伝えている。イルカ漁だけでなく、 イルカの水銀問題、イルカ肉偽装など、多くの日本人が知らない問題を次々に 明らかにしていく。 同作は2009年のサンダンス映画祭で観客賞を受賞。すでに世界各国では公開されているが、 日本ではようやく初夏に劇場公開される ことが決まった。シホヨス監督は、次のようにコメントを寄せている。 「日本のみなさん、どうかこの映画を観て下さい。 水銀値が高い一部の魚介類を食べてきた結果、私自分自身も 水銀中毒であることを知りました。映画を観た多くの人々が、 予想より高い感覚や知性を持っているイルカの事実を知るでしょう。 イルカが子供の食糧やショーに利用されるべきかどうか、自分自身で 判断して欲しいのです。この映画には、世界を変える力があるはずです。 私にとって本当の意味での賞とは、イルカ漁が止められ、 すべてのイルカが解放され、この入り江が、地球で 最大の頭脳を持つ生き物の屠殺場から国立公園に戻る日だと思っています」 |