喫茶Honfleur掲示板2005, 2006年

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Message#2155 2005年12月24日(土)08時32分
From: 和井 恵
Re:功徳の消耗・・・
宮下杏菜@ねむねむ・・・さんのメッセージ(#2153)への返事

> でも、みんなどういう確信から来世があるって思っているのか不思議なんですよ。
> サマナに聞いても、みんな一緒の答えしかかえってこないけどね。

こんな事を書くと、杏奈ちゃんは驚くかもしれませんが、
アーガマに出てくる釈迦は、
「はたして死後の世界はあるのか?それとも無いのか?」
という弟子からの質問に対して、
「無記(沈黙・ノーコメント)」を貫いています。

「ある」とも「ない」とも答えていないのです。

そしてこれは、「釈迦の教え」の「本質」を理解する上で、
とても重要な「ポイント(要点)」なのです。
つまり、「釈迦の説いた真理」は、「輪廻転生」というインド思想を
基本(ベース)として説かれているわけではない…

すでに、アベルさんやボンちゃんには
ある程度話していることなので、
詳しくは彼らから聞いてみて下さい(笑)

アーガマの「四禅定」の説明でも、必ず出てくるのが、
「未来への渇望と、過去からの悔恨(の想い)を離れて…」という言葉。
これらの語句が、繰り返し語られています。

釈迦は、「今、ここにある現実(この瞬間)」というものを、
とても大切に考えていました。
(仏教には「一期一会」という言葉がありますが、これとはちょっと意味が違います)

ですから、出家した後で最初に選んだ、
「無所有処」や「非想非非想」といった「瞑想の道」に満足することができず、
次の選択肢である「苦行」の道へと進んで行ったのです。

「踊る大捜査線」に出てくる「青島くん」の言葉ではありませんが、
「事件(苦しみ)は会議室(どこか別の世界)で起きているんじゃない!
現場(今ここにある現実)で起きているんだ!!」
ということになります(笑)。

「功徳」を積んで「高い世界」へ転生する、という考え方は、
「(一般的な・広義の)仏教」にはあるかもしれませんが、
しかし、それは「釈迦の説いた教え」の本質では無い、と私は考えています。

ですから私は、杏奈ちゃんの考え「来世なんてないかもしれない」を否定しません。
もっとも、肯定もしないけど…(笑)
そう考えることが「修行の妨げになる」とも思わない。
「アーレフの修行」には、妨げになるでしょうけどね。

PS.
>私は、まともな修行者じゃないから

「アーレフの定義」からすると、
私も多分「まともな修行者」ではない、と思います(笑)

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