喫茶Honfleur掲示板2005, 2006年

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Message#2165 2005年12月24日(土)23時26分
From: 和井 恵
Re3:功徳の消耗・・・
あべるさんのメッセージ(#2156)への返事

(つづき)

>真如苑では、真如のみ是れ実にして余は皆虚妄なり、
>実性の体は、即ち是れ真如にして、真如の性は即ち是れ如来なり、
>名づけて涅槃とす、って朝夕唱えるわけですが、
>これって上でオウムの理解と言ったのと全く同じことではないですか。

そうですね。
「表現(用語)」は違っていても、内容的には大差ないと思います(笑)。

>質問ですが、
>現在オウムから沢山人が流れてると思われるテーラワーダ協会も、
>和井さんがご批判になるサーンキャ的アートマン容認
>(理解が間違ってたらお許しを)の考え方が基調となっているのでしょうか。

そこまで詳しく調べていないので、解りません(笑)。
私自身は「テーラワーダ協会」そのものに対して、
あまり興味が湧かないのですよ。
私は「学者」ではないので、「比較すること」が目的ではない…

ただ、仏教史の「流れ」から言うと、
釈迦の「教え(悟り・真理)」を誤って「解釈」してしまった「部派仏教」は、
当然ながら「阿羅漢(成就者)」になる修行者が「激減」してゆきました。
ほとんど「ゼロ」と言っても過言ではありません。
そこで、どういう「考え方」が生まれてきたかというと、

「釈迦は、今生だけの修行で悟り、解脱したのではない」という見解。

何千生、何万生もの「長い前世での修行の積み重ね」の「成果」として、
「今生での解脱があったのだ」という考え方に落ち着いたのです。
それで、自分たちが、いくら修行をしても「結果が出ない」ことを
「正当化(理屈付け)」してしまったのですね(笑)。
そして、「修行者」には、「前世での経歴(!)」によって、
「成就しやすい者」「ややしにくい者」「かなり難しい者」
「無理っぽい者」「絶対無理な者」という、
「五性各別論(修行者の資質へのカースト的な考え方)」が生まれました(笑)。
それを「証明する根拠」として、
「前生譚(ジャータカ)」なる「お伽話」が創作されていったのです。
「ジャータカ」の一つの特徴は、「デーヴァダッタ」を
徹底的な「極悪人」として描いているところにあります。
よほど「部派仏教」の人たちは、彼を毛嫌いしていたのでしょうね。

「デーヴァダッタ」は、
あのサーリプッタも一目置く程の「優れた修行者だった」
と言う話しも有るのですけどね。
うろ覚えなので、どの本に書いてあったかは、
良く覚えていないのですけど…

「部派仏教」の「教義(理論)」は「アビダルマ」です。
正式には「アビダルマ・コーシャ」と言い、
日本では、「コーシャ」の部分に「漢字」を当て、「倶舎(くしゃ)宗」、
正式には「倶舎成実宗」という宗派が誕生していました。
(現在では消滅しています)

「唯識三年、倶舎八年」という諺(ことわざ)が、昔あったそうですが、

「唯識は三年も勉強すれば、何とか理解できるが、
 倶舎(アビダルマ)は、八年かけても理解するのは難しい」

という意味だそうです。
それだけ煩雑で解りにくい内容だったみたいです(笑)。

参考までに、「テーラワーダ協会」の「修行法(全貌)」を紹介しておきましょう。

 → http://www012.upp.so-net.ne.jp/asia21/tikenmokuji.htm

アベルさんは、これを読んで「どう」感じますか?
私は、こんなことを真面目にやっていたら、
確かに「一生(今生だけ)」では短かすぎて
「ゴール(成就)」するのは「至難の業」だろうなと思いました(笑)。

>また、オウムの南伝大蔵経にはこの部分はなかったのでしょうか。

あったとは思いますが、おそらく「別な解釈」をしたのでしょうね。
多分、「釈迦の説法」は「対機説法」だから、
「観念」に囚われている、ごく「一部の修行者」だけに対して
「説かれた教え」なのだ、と言う風に…

「釈迦の教え全体」を貫く「基本方針(ポリシー)」としては
見ていなかったのではないでしょうか。

>そういえばこのまえ南伝大蔵経のパーリ語→日本語への翻訳本のDMが来てましたが、
>35万円くらいしたと思いますので、物凄く膨大なものなんですね。
>阿含宗でもそのへんは飛ばして教えてるのでしょうか? 
>それともこれは阿含宗の所依の経典以外の部分に書かれてる?

私は、自分が離れてからの「阿含宗」についてはよく知りません。
在籍していた頃は、「アーガマ」そのものを使用した「講義(解説)」は、
ほとんどしていなかったと思います。一部の「著書」を除いては…

私は、「変身の原理」「密教超能力の秘密」
「チャンネルを回せ」あたりまでの、
心理学や現代科学を駆使した内容までは共感を覚えますが、
それ以降の「霊障を解く」あたりからは、ちょっと違和感を感じています。

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