喫茶Honfleur掲示板 2007〜2009年
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Message#20356 2009年2月28日(土)12時05分
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てんさいくん55号
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ひかりの輪の更新情報
2009年2月 京都・奈良聖地巡礼
【2月22日 京都レポート3】広隆寺――弥勒菩薩と聖徳太子ゆかりの寺
http://www.joyus.jp/hikarinowa/pilgrimage/2520092/0072222.html
●我が国の誇る国宝・弥勒菩薩半跏思惟像
創建当時、国宝・弥勒菩薩半跏思惟像をご本尊とした京都太秦(うずまさ)の広隆寺。
その歴史は、『日本書紀』によれば、推古天皇11年(603年)、聖徳太子が「私のところに尊い仏像があるが、誰かこれを拝みたてまつる者はいるか」と諸臣に問うたところ、帰化人系の豪族・秦河勝が、この仏像を譲り受け、「蜂岡寺」を建てたとされています。
そして、この仏像が、今に伝わる弥勒菩薩半跏思惟像といわれています。
広隆寺には、これまでの聖地巡礼で何度も訪れて来た場所であり、特に上祐代表にとっては、オウム・アレフを脱会する中、この弥勒菩薩半跏思惟像との出会いにより、オウム・麻原への誤った信仰を断ち切ることができたという経緯があり、とても大切にしている仏像です。
今までは、その弥勒菩薩半跏思惟像にお会いするために巡礼した面が強かったのですが、今回は、他の堂宇も一つ一つ丁寧に参拝させていただきました。
●平安遷都前後、本尊となった薬師如来
広隆寺のご本尊は、現在は聖徳太子(太子殿本尊)なのですが、ご本尊が歴史とともに変化しています。
創建当初は弥勒菩薩を本尊とし、平安遷都前後からは薬師如来を本尊とする寺院となり、薬師信仰とともに聖徳太子信仰の聖地となったという経緯を持ちます。
わたしたちは、まず、薬師堂を参拝しました。
この薬師堂は、これまでたびたび神秘的な光を発して、天皇の病を治したり、洪水をしずめたりしたという伝説が伝わる霊験あらたかな薬師如来像をおまつりしています。
ここでも、神護寺で行ったのとおなじように、薬師如来のマントラをとなえ、争い、傷ついている地球、世界の平和と、すべての傷つき、苦しんでいる人の苦しみが、薬師如来の慈悲によって癒されるように、そしてわたしたちも薬師如来のように、わたしたちにできる償いをなすことができるように、祈りを捧げました。
●阿弥陀如来像と大きなお地蔵さま
次は講堂です。これは、京都市内に現存する最古の建築物で、中には国宝の阿弥陀如来像が安置されていました。
そして、地蔵堂。弘法大師が国家の繁栄を祈って自ら造られたという大きな地蔵菩薩がいらっしゃるのですが、中をのぞくと、真っ白で、ものすごく大きなお顔の、満面の笑顔の、大地の母のような、驚きのお地蔵さまで、拝観した人は皆、思わずあっと声を上げ、次には笑いがこぼれるのでした。
●広隆寺本堂--上宮王院太子堂
広隆寺は、聖徳太子霊跡24番で、聖徳太子建立七大寺の一つに数えられていますが、広隆寺の本堂である、上宮王院太子堂を参拝しました。ここには本尊として聖徳太子像がまつられています。
ここでは、聖徳太子の教え、「和をもって尊しとなす」の精神は、ひかりの「輪」の精神に通じるものとして、上祐代表のお話がありました。
最後に、新霊宝殿に入り、国宝の弥勒菩薩半跏思惟像をはじめ、国宝・千手観音像、国宝・不空羂索観音像などの多数の仏像を拝観しました。
ここでも、30分以上にわたって、参加者一人一人が、多くの仏像と向き合い、思いのままに、地球の幸福を祈ってマントラをとなえたり、瞑想を行ったりして過ごしました。
最後に、ご参考に、弥勒菩薩半跏思惟像と出会った上祐代表の個人的な体験が綴られた、会員向けの文章をご紹介いたします。
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63.弥勒菩薩と平等心2--自分の個人的な体験から(2008年12月12日)
前回、弥勒菩薩と平等心・大慈悲について考えたが、それは、主に教えを中心にして書いた。今回は、私がいかにして、その教えにたどり着いたかのエピソードを紹介したいと思う。
最初のきっかけは、今から6年ほど前、2002年6月10日、草津での出来事だった。
私は、温泉を使ったトゥモの修行(チベット密教の瞑想修行)を行っていた。
その時、私はかねてから疑問を抱き葛藤していた、松本元教祖の一連の事件に関する言動に関して考えていた。そして、その葛藤の中で、その松本氏の行為が自分と無関係なものではなく、自分にもある潜在的な要素、自分のカルマ・心の現れと考えたときに、心が晴れて、エネルギーの状態が一転する体験をした。
その後に、外出すると、非常に珍しい、深く印象に残る現象を体験した。それは、空に七重もの虹が出ていたのである。その中心は太陽の周りを囲む虹で、しかも、二重三重にも囲んでいた。太陽から離れた所にも虹はあった。めったにない現象に遭遇した私は、その直前の瞑想とともに、その印象は深く心に刻まれることになった。
その後の研究・思索で、私は、虹は仏教をはじめとする宗教で神聖視されていることを知った。旧約聖書では、ノアの契約の際の印としての虹が現われ、チベット密教では、虹の身体を解脱の象徴としていることなど。
その後、現代で、無数の色が境目なく連続して融合している虹が、多様性のもとの統合を象徴するものとして、戦争に反対する平和の旗とされていることなどを知った。それをきっかけに私は、虹は、仏陀の説いた縁起の法・一元的な世界観の象徴とも考えると思うようになった。そして、私が体験した、太陽の周りの虹は、仏法の象徴の法輪を天空に現した現象と解釈した。
そして、これらの瞑想や体験や研究の中で最も重要なことは、自分と外界、自分と他人のつながりであり、自分の心の現れとしての他人・外界という思想であった。
それから、4年ほど後、私に、草津での七重の虹と合い並ぶ程の大きな影響を与えることになった体験が生じた。それは、京都広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像であった。
私は、その弥勒菩薩半跏思惟像に、これまでに体験した中で最高のエネルギー、かつてないほどの神聖なエネルギーを感じた。広大で深遠な慈悲、非常に微細・繊細な智慧、宇宙大の慈悲の空間が広がっているように感じた。
今から思うと、草津での体験と、広隆寺弥勒菩薩像との体験は、深いところで一致している。
まず、弥勒菩薩半跏思惟像から感じられたことは、これは、人の表層意識と潜在意識を統合するエネルギーではないかということだった。この表層意識と潜在意識の統合というのは非常に重要な意味を持つ。
弥勒菩薩は、仏教の思想の中で、唯識派の始祖とされる。唯識派は、その人の業・カルマは、阿頼耶識と呼ばれる人の潜在意識の中に蓄積され、それが現れ出たものが、(その人が体験する)世界であると説いている。一言で言えば、(その人が体験する世界の)すべては、(その人の)心の現れという教えであり、よって、唯識(ただ意識のみ)と呼ばれるのである。
これは、私が草津における瞑想で感じたこと、すなわち、松本氏の言動も、私の潜在的な要素、カルマの現れであるという考え方とまさに合致する。
この唯識派と非常によく似た理論を持つのが、現代の心理学のユング心理学であり、ユング心理学も、自分の潜在意識の要素が、自分が体験している外界・他人に投影されていると説く。
しかし、現代人は、自分の潜在意識を理解しておらず、すなわち、表層意識と潜在意識の間で分裂しているため、外界・他人と自分のつながりが理解できず、精神的な危機を迎えているとする。これをカール・ユングは、現代人の心の危機と呼び、潜在意識と表層意識の統合が必要であると訴えた。
さて、ユング心理学と弥勒菩薩には、唯識思想だけでなく、もう1つ、興味深いシンクロ現象がある。それは、占星学にも関心を持っていたユングが、来るべき理想的な時代であるアクエリアス(水瓶座)の時代には、表層意識と潜在意識が統合された人類が生まれるだろうと予見したことである。
何がシンクロしているかというと、水瓶とは、仏教上、まさに弥勒菩薩の象徴であり、多くの弥勒菩薩の仏画は、手に水瓶をもった弥勒が描かれているということだ。その中には神聖な水が蓄えられているとされる。
それから、もう1つのシンクロ現象は、草津と広隆寺の間にある。双方とも薬師如来に縁があるのだ。病気治療で有名な草津温泉は、奈良時代の高僧・行基菩薩によって発見され、そこには薬師如来が祀られた(現在の光泉寺)。また、広隆寺にも、弥勒菩薩半跏思惟像の近くに、秘仏の薬師如来が、その十二神将と共に祀られているのである。
そう考えると、いろいろなことがつながってくる。薬師如来は、万病を癒す仏だから、精神の病を癒すためのユング心理学や唯識思想ともつながってくる。また、薬師如来は、密教において弥勒菩薩の本体とされる阿しゅく如来と同一視されることがある。両者は、同じ東方浄土の仏だからだ。
こうして、草津、自と他を区別しない思索、七重の虹、広隆寺、弥勒菩薩像、薬師如来、ユング心理学などといったさまざまな要素が、すべてが1つにつながって感じられたのである。
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