喫茶Honfleur掲示板 2007〜2009年

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Message#20342 2009年2月28日(土)02時20分
From: 聖者ぼんちリンポチェ
変更
Re2:ひかりの輪サイトの更新情報
아벨(Abel)さんのメッセージ(#20307)への返事

> ヤツガレさん、こういう被害者の方たちの正義の報復に手を貸してもらえないですかね。

現行の法律体系に関する前提2つのうち、
最低1つをクリアしなければ、
合法的報復は実現できないでしょうな。

1つは日本は法治国家である、という前提。
もう1つは刑罰の基本は教育刑である、という前提。

後者における主眼目は、再発防止であり、
死刑という選択は、生かしておけば再発防止が困難、あまりに不確実、
という場合にやむを得ず用いる非常手段。
それも、殺人という、取り返しのつかないことにのみ使われていると。
従って、感情論は排除しての判断が必要、という
ある意味、現行法の刑罰の目的から外れたオプションの刑罰。

1つめの前提である「日本は法治国家である」という命題がある限り、
まずは刑罰は教育刑である、という前提を改め、
刑罰は応報刑である、とか、刑罰は報復刑である、
という前提を法制化しなければ、
1人殺したという事実のみをもって死刑にすることは出来ないし、
ましていわんや、強姦のような死者の出ていない犯罪に対して、
死刑を宣告することはおろか、求刑することもできません。

あるいは、「日本は法治国家である」という前提を崩さない手段で、
その前提を「日本は人治主義である」とか「徳治主義である」とか、
適当なものにすげ替えなければなりません。
つまり、「法治国家である」という前提を変更する作業が、
最後の法治国家としての作業になる、という方法です。
少なくとも、この前提さえ替えてしまえば、
刑罰は教育刑である、という前提を無視して刑罰を科すことができます。

ま、今なんてこの程度のことを考えればいいわけですけど、
昔なんて、これに儒教までが参入して侃々諤々だったんですぞ。

江戸時代中期に、こんなことがあったんだそうです。
庶民階級のある女性(既婚)が、夫を殺されたが、
その犯人は実家の父親と兄だったと。
どうしたもんでしょうか、と相談もあって奉行所にかけこんだが、
犯人の死罪は当然としても、この女性の処遇に困ったそうです。

今風に考えれば、完全なる被害者遺族で、罰されるべき人間ではありません。
ところがここに儒教が挟まるわけですね。
父と兄、とは敬って従すべき対象であるから、
本来ならば彼らの罪を隠匿すべきである。
あるいは諌めるために自害すべきである。
それなのに、暴露した。
これは長幼の序を犯すものである。
この女は磔にすべき!いや、尼寺に入れろ!

結局尼寺に入ることで許されたそうですけど、
法の適用にはバカバカしいまでの検討が必要になるってことですわい。

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