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Message#3187 2006年3月17日(金)14時24分
From: 和井 恵
 
中間投稿その1。
●「物理的な」捉え方で「カルマの法則」を検証してみると

『今、私たちが他から受ける様々な行為は、すべて過去(世)で自分が他に
為した事が“反射作用”として返ってきているのである』。

これが、オウム(アーレフ)の説く「カルマの法則」を支える「公理(基礎
となる考え方)」ですが、これは「行為(他に対する能動的な働き)」を、
「壁に向かって投げたボール(作用と反作用)」や「鏡に当たった光(反射)」
として類推して、いわば「反復現象」として捉えています。
一見すると「理論的」で「科学的」な説明のように感じられますが、実際には、
単なる「主観的なイメージ(類推したモノの喩え)」を述べているに過ぎない
のです。

それを「証明」するために、これとは異なった「客観的な立場からのイメージ」
を、これから少し述べてみましょう。

「物理的な現象」というものを科学的(客観的)に捉えて「考え」を進めてい
くと、例えば、「量子力学的な現象」を例に挙げるならば、何もない(中和さ
れた)空間に、ある力を加えると、相反する(あるいは相補的な)二つの粒子
(場のエネルギー)が出現します。
つまり、プラスとマイナス、陰と陽といった「位相」の対立するエネルギーが
生まれるのです。
そして、それらは「真逆の性質」を持つが故に、まるで「磁石の両極」のよう
に「引かれ合って」、やがて衝突し、相殺(もしくは合一)して「消滅」する。
つまり、「元のニュートラルな状態」に戻るわけです。
これは、「始まり(生起)」と「終わり(消滅・滅尽)」のある世界です。
そしてもちろん、始まり以前も以後も有るわけですから、「無始の昔より…」
という「仏教の世界観」と矛盾するわけでもありません。

これを「カルマ(形成作用)の法則」に当てはめて考えて見た場合、どうなる
でしょうか?

プラスのベクトルを持つ形成作用は、相手に影響を与えようとする力。
マイナスのベクトルを持つ形成作用は、相手から影響を受けようとする力とい
うことになります。「為したことが返ってくる」ためには、「為されたことを
返す」働きが無ければ成立しません。「善」に「悪」が必要なように、「浄」
には「不浄」がなければ「成立」しないのです。
「縁起」というのは、もともと「同時存在的な相互依存(相補)関係」のこと
を指しますから、この観点からも、「仏教教理」に反してはいないのです。

すると、「客観的」に考えるならば、「カルマの返り方」には「二つのパター
ン」が可能性として考えられることになります。つまり、「与えて(能動)」
から「受ける(受動)」場合と、「受けて」から「与える」場合の、「二つの
パターン」が…
例えが悪いかもしれませんが、「株の売買」でも、「買った」後で「売る」と
いう一般的な「やり方」の他にも、「空売り」をしてから「買い戻す」という、
まったく逆の「方法」がありますよね。
しかし、この考え方をしてしまうと、わざわざ「カルマの法則」などと言わな
くとも、「当たり前」のことのようにも思えてしまいます。


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