Message#5242 2006年9月16日(土)01時35分 From: 転載 | |
| 史上空前の事件を引き起こしたオウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)被告。15日に幕を閉じた刑事裁判の手続きは、日本の刑事司法のあり方を問い直すものになった。かつて被告の下に集った信徒の一部は、いまなお組織的な活動を続けている。被告の死刑はいつ執行されるのか。教団はどこに向かうのか。
オウム真理教(現アーレフ)の上祐史浩代表は午後4時過ぎに知人からの電話で決定を知った。
信徒たちへの影響はあるのか。報道陣に尋ねられた上祐代表は「大きな反応はないだろう」としながらも、「この先どうなるのか、という不透明感がこれから始まるだろう」と述べた。これまでの裁判の経緯や、死刑が執行されても後追い自殺をしないように呼びかける文書を作成し、信徒に配布する予定だという。
東京高裁が控訴を棄却して以来、教団は全国に約1650人いる信徒の動揺を抑えようとしてきた。4月に公安調査庁が教団関連施設に立ち入り検査をした際、高裁決定への「冷静な対応」を求める「役員一同」の声明も見つかった。
「死んでゆくものは仕方がない」。上祐代表はセミナーで、こんな発言もした。これは、松本被告を指すのか、教団の将来を言うのか。
信徒が思い詰めて勝手に暴走すれば、今度こそ教団が維持できなくなる。「冷静な対応」を求める背景には、こんな危機感があると公安調査庁は見る。
教団は「麻原色」を薄めようとする上祐派と、これに反発する反上祐派に事実上、分裂しており、7月からは会計も別々にしている。上祐代表は将来的には、新教団を設立すると述べている。
松本サリン事件の舞台・長野県松本市にある反上祐派の施設。7月25日に調査官が入ると、施設内には、松本被告の唱える呪文が流れ、被告の写真が飾られていた。出家信徒の9割、在家信徒の7割は、サリン事件以前からの信徒だ。
教団内では、最高幹部にかわって中堅幹部らの発言力が増しており、新たな指導層が生まれる恐れもあるという。
松本被告の確定で、拘置所に収容されている確定死刑囚は89人となる。死刑は原則として、確定順で行われるとされ、現在は確定から4〜8年程度かかることが多い。しかし、運用に不透明な部分も多く、松本被告の場合もいつになるのか、見通しはたたない。
刑事訴訟法475条は、判決確定の日から6カ月以内にしなければならない、としているが、実際に6カ月以内に執行された例は近年ない。
同じ条文は再審請求中や、共犯者の判決が確定するまでの期間は、6カ月に算入しないとしている。明確な規定はないが、「共犯者の刑が確定しないと執行できない」と解釈する意見もある。
共犯者の刑が確定していない例は、連続企業爆破事件の大道寺将司(58)=87年3月確定=と、連合赤軍事件の坂口弘(59)=93年2月確定=の両死刑囚ら。いずれも、共犯者が日本赤軍ハイジャック事件で「超法規的出国」をし、公判停止になっているためだ。
松本被告の場合、2人の共犯者の控訴審が続いているほか、二審で死刑になった9人が最高裁に上告中だ。
再審請求をしている場合も、執行しないことが多い。
逆に、付属池田小事件の宅間守元死刑囚は、確定から1年足らずの04年9月、執行された。弁護人への手紙で「6カ月以内の執行を望みます」と記していた。
松本被告のケースについて、法務省幹部は「すぐ執行というのはあり得ない」と言い切る。「共犯者の公判が続いている上、ほぼ確実に再審請求が出る」というのがその理由だ。
一方、同幹部は、執行は少なくとも数年はないが、「10年以上執行されないというのも、ないのではないか」と見ている。
上祐代表「当然の結果」=信者に自制求める文書配布へ
松本智津夫被告(51)の死刑確定を受け、オウム真理教(現アーレフ)の上祐史浩代表(43)が15日、東京都港区のホテルで記者会見し「結果は当然。しかし、元代表だけが裁かれたのではなく、元代表を神とした信者も同罪で、反省を深めなければ」と話した。 同代表は淡々とした表情。松本被告が自分の口から事件を説明しなかったことに、「現実と向き合うことができなかった。人間の弱さだろう」と指摘した。 現時点で教団内に大きな動揺はないが、後追いや奪還などの行動を起こさないよう促す文書を配布する予定という。 (時事通信) - 9月15日23時1分更新
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