| 아벨さんのメッセージ(#5984)への返事
> > そうです。まずボーイングが重要なのです。 > > ボーイングというと、このへんしかわからんw
ボーイングってのはですねえ、 ボウイングとも書きまして、つまりボウの扱い方のこと。 Bowとは何ぞや、というと、もともと狩りや戦争で使う「弓」のことなんです。 その「弓」からヴァイオリンやチェロなどの「弓」、 そう、右手に持っているやつですが、それが出来たわけです。
で、その「弓」で、ヴァイオリンを構えた場合、 上から下に弾くのを「ダウンボウ」と言い、 下から上に弾くのを「アップボウ」と言います。 そして弓で弦をこするわけですけど、 強くこするか弱くこするか、弱くこするから始めて強めていくとか、 その逆とか、音をいつ切るか、また音の始まりはどんな風に欲しいか、とか こういう右手の技術全般をボウイングって言うんですよ。
まあ、普通「ボウイングをつける」という言葉を使った場合、 弦セクションの各パートのリーダーが、 どの音をアップで弾き、どの音をダウンで弾くか、 時には、4本あるどの弦で弾くか、などを決めて楽譜に書き込む作業を意味します。
で、現代の楽器奏者が漫然と弾き飛ばしても構わないのは、 20世紀の音楽くらいのもので、 本当は19世紀以前の作品は、このボウイングについても 作曲された当時の楽器の使い方、音のニュアンスなどを 文献や残された楽器を基に検証し、熟考しなければならないんですよ。 問題は弓の上げ下げだけにとどまらなくなっている、というわけです。
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