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| Message#52640 2014年12月3日(水)21時58分 From: オウムウオッチャー |
| 新刊ご紹介「オウムという現象―現代社会と宗教 (シリーズ文明のゆくえ―近代文明を問う)」 |
 | 最近、珍しく、オウム関連の本が出ていますね。 アマゾンをチェックしていましたら、宗教学者の渡辺学さんの本が見つかりました。 まあ、こういうオウム関連の「基本書」というべきものが出版されるのは、オウム事件が忘れ去られないためにも、歓迎すべきことでしょう。 この掲示板の常連の方々には、物足りないものでしょうが。 カスタマーレビュー オウム事件と日本の宗教事情, 2014/11/20 投稿者 阿闍世 レビュー対象商品: オウムという現象―現代社会と宗教 (シリーズ文明のゆくえ―近代文明を問う) (単行本) 出版社: 晃洋書房 (2014/11) 本書の著者、渡辺学氏は、ユング心理学を中心とした、宗教心理学の研究者として知られた人物であるが、現代社会の宗教事情にも精通している。本書は、そのような研究者ならではの、目配りの行き届いたバランスのよい著作構成となっている。 これまでオウム真理教に関しては、多くの著作がだされ、その中にはすぐれたものも少なくない。ただし、それらは、しばしば事象の記述が詳細であるためその全体像が見えにくくなっていたり、あるいはまた逆に、理論的枠組みが表に出すぎるあまり具体像が見えにくくなっていたりすることが多い。それに対して、本書は、「時代背景」の論述から始まり、「元信者の告白」という形で、オウムの全体像を明確に描きながら、随所に宗教学の幅広い知見に基づいた、考察が展開されている。サリン事件から20年たち、ようやくその全体像が見えるようになったという時代状況があるのは当然ながら、著書のこれまでの研鑽がなれるわざであろう。 とくにオウム事件について情報の少ない、若い人には勧められる書物である。 |